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はい、ふたつに分かれてしまいました。
お暇な方はつづけてお楽しみください。
・・・狸の化けたサイを懐に入れて、賭場に行きまして
「おうっ、やってる?」
「おいおい、居酒屋じゃねえんだ、もすこし静かに入って来いよ」
「へへー、まあいいじゃない。ちょっとあたしにも振らせてよ」
「あー、別にいいが、今日は誰が胴をとってもつぶれちまってるぜ。それでもやるのかい?やるってんなら止めねえが、懐は大丈夫か?」
「まーかせて、今日はたっぷり持ってるんだから。その代わり、その胴つぶれの縁起の悪いサイコロじゃなくて、あたしの持ってきたコレを使わせてよ!・・・見せろ?いいわよ、見て、見て。噛み潰したって鉛なんかでないからね。まあ、悪くすると血が出るかも知れないけど・・・」
「なんだ、すっと出せ、すっと。・・・これかい?なんだかムズムズッとしたぞ」
「そんなはずはないじゃない。気のせいよ、気のせい」
「それになんだか生温かいような・・・」
「そりゃあ生もの・・・じゃない、懐に入れてきたからよー」
「そうかい、まあ、試しに振ってみるからな」
「乱暴に扱っちゃダメよ。目が回るから!」
「何だと?サイコロが目を回すわけがねえじゃねえか。振るぞ、よっと・・・ん?このサイは転がらねえで、横にずってくじゃねえか」
「そりゃあ、振り方が悪い。もう一回振ってみてよ。(サイコロに向かって)今度は転がるから」
「何、サイコロに話しかけてんだよ。じゃあ、もう一度振るぞ。よっと・・・おー転がる転がる・・・って、おい、ちょっとつかまえてくれ。・・・こんどはまたずいぶんと転がったねえ。・・・おい、いやだよ。このサイ、なんか俺をにらんでやがる」
「いつまでもやってると、そのうちひっかかれるからね」
「ひっかかれる?変なこと言いやがって・・・まあ、いいや、ちょっと振ってみな」
「そう、じゃあ、よっと・・・よっと・・・よっと。ほら、ちゃんと目が出るでしょ!・・・じゃあ、いいわね。次から張ってよ。よっと・・・さあ、どうぞ!・・・ん?二は誰もいないの?二が出ればあたしの勝ちね。いただきよ!」
「おいおい、気が早えな」
「大丈夫!二は出しやすいんだから。二よ、お願い。・・・たぁー、ほら二よ」
「これは、ついてんなぁ」
「ありがとー、ありがとー。さあ、次いくわよー。張って、張ってー。・・・今度は一が空き目ね。一が出ればそのお金は全部あたしのものよ。一よ、お尻じゃなくて、ウインクよ」
「うるさいなあ。早く勝負しなよ」
「いくわよ、とぁー。・・・ほら、一だ」
「あー、くそっ。・・・ん?なんだ、このサイコロ俺を見て笑ってないかい?」
「何言ってんのよー。サイコロが笑うわけないじゃない。いいからもう一番行くわよー。さあ、張って、張ってー。えーと、今度は五が出れば総取りね。いい、今度の目は・・・」
「ちょっと、待ってくれ」
「なーに?」
「お前が目を読むと、そのとおりに出てくるのが気にかかって仕方ねえ。黙って勝負しろい」
「黙ってちゃあ分からないじゃない!」
「何が分からねえんだ。今度目を読むと、そのツボごと踏み潰しちまうからな」
「そんな乱暴なことしちゃ、中で死んじゃ・・・いや、あの、目を読まなきゃいいんでしょ。えーと、えーと、梅よ、梅鉢の紋よ。天神様の紋よ。天神よ、天神!とあぁーーー!」
そこで、サッとツボを開けますと、冠かぶって笏を持った狸がちょこんと座っていました・・・