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鳥は白い子狸と仲良くしてるのですが、最近この子狸がちょっと調子に乗っておりまして、羽を毟る羽を毟ると言ってきますんで、はっきりと言ってやりました。
「お願いだからやめてください」と。
くやしいんで、ここで狸の恥ずかしい噺をひとつ。
「ごめんくださいーい・・・ごめんくださいーい!」
「誰だい。もう寝るんだ。明日にならないかい?誰だい」
「・・・たぬぅ・・・です」
「はぁ?」
「・・・たぬ・・・です」
「はぁ?狸がもそもそと言ってるようでわからないよ」
「その狸です」
「なんだい?狸?狸になんて用はないね」
「そちらにはなくても、こちらにはありまして」
「狸に知り合いなんぞいないよ」
「はい、これから親類になります」
「じょーだん。狸に親類になられちゃたまらないよ・・・まあ、ちょっと待って。とりあえず、戸を開けるから・・・ありゃ、誰もいないじゃないかい。もー、こんなつまんないイタズラして・・・」
「姐さん、足元です」
「な、な、なんだい、このに白っぽいものは・・・」
「はい、狸です」
「狸?狸にしちゃあずいぶん白いじゃないか」
「はい、世にも珍しい真っ白な狸です」
「真っ白っていうには、くすんでるねえ」
「いえ、それは汚れです。ほんとは真っ白なんです」
「汚れが目立つだけで白の意味はないねえ。で、その狸が何のようだい」
「あのー、今日の昼、お腹をすかせて倒れそうになってるところに、お団子をいただきまして、ありがとーございました」
「あー、あんときの。白いから猫かと思っていたが、おめえだったのかい」
「はい、おかげで助かりました。山をでるとき、じじ様に『受けた恩は返さいといけない。恩を忘れるようでは人間といっしょだ』と言われてます」
「ひどい言われようだねえ」
「そういうわけで、恩返しのために、とうぶん傍にいさせてください」
「困ったねえ。まあ、いまさら帰るのもなんだろうから、一晩くらい泊まって帰るかい。といっても、うちには客用の布団なんてないよ」
「そうですか。では、いっしょに入りましょうか」
「おいおい、狸と一緒に寝たくないよ。せめてその毛並みを真っ白にしてきてからだねえ。・・・その、なんだ、狸は自前の布団をぶら下げてるんじゃないのかい?」
「はぁ、自前の布団?・・・ああ、玉袋ですか。狸の睾丸八畳敷なんていって、じじ様のは、たいそうでかく広がりまして、寒いときなどは、よくくるまって寝たものですが、私は雌でして。野宿には慣れてますから気にせず寝てください」
「おや、女の子かい?女の子が玉袋だ睾丸だと言っちゃいけないねえ。・・・まあ、あたしも女だけど。・・・おやおや、縁の下になんぞは入らないで、せめて畳の上で寝たらどうだい?」
「はあ、しかし畳が敷いてありますから・・・」
「畳があったって、遠慮はいらない」
「いえ、畳の上は冷えていけません」
「言うことが変わってるねぇ。よけりゃ、そこで寝な」
「はい、ありがとうございます・・・ぐーぐー」
「早いねー、もう寝ちゃったの?あれ、目開けてるじゃないの?」
「はい、狸寝入りで・・・」
「・・・ふざけてないで、寝よ、寝よ」
・・・そんなわけで夜は明けますと
「姐さん、姐さん、朝ですよ、起きてください」
「あー、これはどうも。・・・えーと、どちらのお嬢さんで?」
「はい、昨夜の狸です」
「おっ、びっくりした!あの狸かい?いやー狸は化けると言うが、うまいもんねえ・・・ん?さっきと少し顔が変わってきた気が・・・」
「はい、ときどき変わります」
「おいおい、そいつはいけないねえ。あたしんとこにはいろいろな女の子がいるなんて言われちまうよ」
「はい、気をつけます。それよりも朝飯を用意しておきました」
「朝飯と言っても、ここには米がなかったはずだけど・・・。ははぁー、飯だと思ったら、馬の糞だったというアレか。いやだよ、朝っぱらから狸に化かされるなんて」
「いえいえ、まさか大恩ある姐さんにそんなことはしませんよ。朝の支度をしようと思ったら、米一粒なくて、米びつの裏ではネズミが餓死してましたよ。で、あれこれ探してたら、古い瓶の王冠を見つけたんで、ちょっとお金に見せて、米と菜を買ってきました」
「へえ、便利だねえ。当分うちにいてくれよ。王冠を集めてきて、ちょっとお金に変えてくれりゃあ、金に困らなくてすむねえ」
「いえ、それが私の持ってる間はお金なんですけど、手を離れるとじきにもとの王冠に戻るんです」
「ふーん、それじゃあ、しょうがないなー・・・おっ!お前さんがお金に化けるってのどう?」
「それなら大丈夫です。ひーふーみっと」(コロンッ)
足元に1万Gコインが一枚転がり出まして・・・
「お、うまいじゃない。しかし、こんな小額じゃーなあ。この100倍くらいにならない?」
「それじゃ、もういちど、ひーふーみっと」(ドサッ)
「何?この馬鹿でかいコインは!こんなお金はないよ。大きさじゃなくて金額が100倍よ」
「あー、それじゃ、ひーふーみっと」(コロンッ)
「ん?これは100万Gって書いてあるだけじゃない。100万Gコインは出回ってねえからダメよ。1万Gコインを100枚よ。100枚!」
「すいません。一つの体では一つのものにしか化けられないんです。仲間が100匹いれば・・・」
「それじゃ、うちが狸屋敷になっちゃう!・・・んー、なんかいい手はないかなー。おお、何も金に化けなくても、本物の金を手に入れりゃあいいじゃない。そうだ、賭場に行って、ちょぼいちでもするかー」
「ちょぼいち?」
「サイの目をあ当てる博打よ。みんなが外せば、サイを振った胴元の総取りとなる。あたしが胴元になってサイ振れば大もうけ間違いなし!というわけで、サイに化けてちょうだい」
「サイってなんです?」
「知らないの?双六をやるとき、四角い目の刻んだヤツを子供たちが転がしてるアレよ、アレ。見たことない?」
「あれですか。見たことあります」
「そう、それならいっちょ頼むわ」
「いきますよー。ひーふーみっと」(コロンッ)
「お、うまい!しかし、ちょっとでかいね。すこし小さくなって。・・・そうそう・・・おーい、どこまで小さくなるの。そんな米粒みたいじゃ持てないじゃない。もすこしお大きく・・・おお、そのくらい、そのくらい。よしよし。・・・ん?こいつはいけない。目が全部同じじゃない。目は表と裏で合計七じゃなきゃいけないのよ。一の裏は六、それから二の裏が五、三の裏が四よ。」
「はい、わかりました。それじゃあ、あらためて、ひーふーみっ」
「おー、よしよし、ちょっと振ってみるよ・・・よっと・・・二か。よし、もいちど、よっと・・・二か。よっと・・・二か。よっ・・・二って。二しか出ないじゃない!」
「二が出しやすいんです」
「なんで?」
「目を開けて上見るだけですから」
「へえ、それなら一は逆立ちしてお尻の穴?・・・痛っ!なに爪を立てて?えっ、女の子にそんな下品なこと言っちゃいけない、ウインクしてるだけだって、そいつは悪かったわ。まあ気を取り直して他の目を頼むよ・・・おー、よしよし。本番でもこの調子で、あたしの言った目を出してちょうだいな。そうすりゃ、どんどん儲かっちゃうんだから。よーし、頼むよ」